リップを塗らない日があっていい ― 塗らないとどうなるのか
「リップクリームは塗らない方がいいらしい」。そんな話を聞いて、試しにやめてみた。数日で唇がつっぱって、結局もとに戻した。そういう経験のある方は少なくありません。
反対に、気づけば一日に何度も塗り直している方もいます。塗らないと落ち着かない。塗っても、すぐまた塗りたくなる。どちらの方にも伝えたいのは、「塗る・塗らない」を一つの問題として考えないほうがいい、ということです。
「塗らない方がいい」説は、どこから来たのか
よく聞くのは「塗り続けると、唇が自分でうるおう力を失う」という話です。ただ、この「リップ依存」をはっきり裏づける根拠は見当たりません。むしろ事実として押さえておきたいのは、唇にはもともと皮脂腺がほとんどなく、汗腺もないということ。頬のように自前の皮脂で表面を守る仕組みが、はじめから弱い場所なのです。
POINT
「依存」に見えるものの正体
塗っても塗っても乾く感じがするとき、原因はリップそのものより、塗ったあとの行動にあることが多いです。塗ったらなめる。なめると唾液が蒸発して、かえって乾く。乾くからまた塗る。スースーする成分や香りの強いものは、このくり返しを招きやすくなります。やめるべきは「塗ること」ではなく、この輪のほうです。
塗らないと、唇はどうなるのか
保湿をまったくしない場合に起きやすいことは、季節と時間帯で大きく変わります。
| 条件 | 起きやすいこと | 目安 |
|---|---|---|
| 夏・湿度が高い日中 | 大きな変化は出にくい | 数時間なら問題になりにくい |
| 冷暖房の効いた室内 | 表面がつっぱる・縦じわが目立つ | 半日ほどで気になりはじめる |
| 秋冬の乾燥した日 | 皮むけ・ひび割れ | 一晩で出ることもある |
| 寝ている間 | 口呼吸で乾き、朝がいちばん荒れて見える | 毎晩くり返す |
| マスクを長時間つけた日 | こすれて表面が荒れる | 外したあとに気づく |
乾いた唇は摩擦に弱くなります。皮がむけてはがす、こすれて荒れる。こうした刺激がくり返されると、唇は防御としてメラニンを増やし、色として残りやすくなります。この流れは唇がくすむ5つの原因と、今日からできる習慣で詳しく扱っています。つまり「何も塗らない」をがんばるほど、すっぴんの唇の色は育ちにくくなるのです。
「色をのせない日」と「保湿しない日」は別もの
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。「リップを塗らない日」と言うとき、多くの方は口紅やティントのような色のものと、リップクリームのような保湿のものを、同じ「リップ」として考えています。けれど唇にとって、この二つは役割がまったく違います。
- 色をのせるもの ─ 見せるための道具。休ませる日があっていい
- 保湿するもの ─ 守るための道具。季節によっては毎日必要
おすすめしたいのは、色をのせない日をつくること。保湿はやめなくていい。色のない日は、落とすための摩擦もゼロになります。唇にとっては、いちばん負担の少ない一日です。
塗り方が「守る」から外れていないか
- 一日に何度も塗り直さないと落ち着かない
- 塗ったあと、つい唇をなめてしまう
- スースーする・香りの強いものを好んで選んでいる
- 塗るときに、唇を横にこすりつけている
- 予定のない日でも、色のものを塗っている
- 夜、色を落としたあとは何も塗らずに寝ている
上の3つは「塗りすぎの輪」、下の3つは「色に頼りすぎ・保湿が足りない」のサインです。どちらに寄っているかで、やることは逆になります。
「塗らない日」のつくり方
- 予定のない休日から始める ─ 人に会わない日なら、色がなくても気にならない
- 朝は色をのせず、保湿だけ ─ 薄く一度でいい。こまめな塗り直しより、なめない方が大事
- 日中に外へ出るならUVを ─ 唇は一年中ほぼ無防備。色がない日ほど日やけ止め機能のある保湿を
- 夜は縦方向に、押さえるように ─ 横にこすりつけない
- 「つっぱる」を合図にする ─ 乾いたら塗る。時間で決めず、唇の状態で決める
朝と夜の細かい順番はリップケアの正しいやり方 ― 朝と夜で変える順番と頻度にまとめています。一週間に一日だけでも、色をのせない日が続くと、自分の素の唇を見る回数が自然に増えていきます。
塗らない日は、すっぴんの自分に慣れる日
色をのせない日を置く意味は、唇を休ませることだけではありません。塗っていない自分の顔に、少しずつ慣れていくこと。お風呂上がりや寝起きの唇を「そういうもの」として受け入れられると、隠すために塗る回数は減っていきます。この考え方はすっぴん唇の色 ― 塗っていない時間の自分を、好きでいるためにと、特集すっぴん唇美容という、momotoneの考え方にまとめています。
そのうえで、毎日の保湿が担当できるのは、これからの乾燥と摩擦を減らすところまでです。すでに積み重なった色味に向き合いたい方には、サロンでのケアという選択肢があります。momotoneのリップケアプログラムは、唇の薄い角質層に合わせた専用ジェルを使う約20分の施術で、角質ケア・補水・専用ジェル・LED・ホームケアの提案までを一連で設計したサロン専売のメラニンケアです。施術の流れは唇のくすみ・ふちの黒ずみケアを、全体の仕組みはメラニンケアとはをご覧ください。※結果には個人差があります。
この記事のまとめ
- 「塗り続けると唇が自分でうるおわなくなる」を裏づける根拠ははっきりしない
- 唇には皮脂腺も汗腺もほとんどなく、もともと自分で守る力が弱い
- 保湿しないと乾燥→摩擦→色として残る、の流れが起きやすい
- 休ませていいのは色のもの。保湿はやめなくていい
- 塗りすぎの正体は「塗る→なめる→乾く」の輪。やめるべきは輪のほう
- 色をのせない日は、すっぴんの自分に慣れる日でもある


